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◆ 第39回 コーチングレポート ◆ T O P > コーチングレポート >
DATE : 2004.02.11
▼ 依存
今回は、依存についてお話をしたいと思います。

コーチングを行う上で気をつけなければならないことはたくさんありますが、その中でも、コーチがクライアントに依存させないことに関してはすごく重要だと考えています。
心の支えになることはあっても依存させてはいけない。この違いについて少しここで考えていきたいと思います。

わたしはコーチングのメタファーとしてサプリメントという言葉を使う場合があります。それと同様に、カウンセリングは風邪薬で、ヒーリングやテラピーを傷薬とすることがあります。
この3つの薬の中で一番効果がわかりにくく、また一番依存しにくいのがサプリメントだと言えます。中にはサプリメントの必要性を感じない人がいることも事実です。
しかしサプリメントの使い方をよく熟知し、効果的な使い方をしている人は、とてもその良さと必要性を感じていることと思います。

サプリメントは本人にプラスαを与えたり、足りない部分を効果的にサポートする働きがあります。だからといって、なくても生活は成立しますし、必須なわけではありません。
風邪薬や傷薬も同じように常用することなく、必要な時にだけ使い、そしていつかは使わなくても良い日が訪れます。

しかし自分の身体にもう必要なくなっても、それを使わなくなることによる不安感などがあれば、人はそれを手放すことができなくなり、依存してしまうことになります。
身体はNGサインを出すことはあってもOKサインを出すことはまずありません。だから、自分の身体は大丈夫だと思える確かなサインは自分の判断力によるものであり、その判断力が低下している場合はこの依存という罠に陥ってしまいがちになるのです。

コーチはサプリメントの効果を持ってはいますが、やはり一人の人間であり、口でアドバイスをしてくれる存在でもあります。あなたにはもうサプリメント(コーチング)がなくても一人でやっていける力が十分あると感じたなら、率直にそのことを意見してくれます。

コーチとクライアントの間に依存関係ができないように気をつけることはとても大切です。でもコーチも心を持つ人間でもあるわけですから、正直に言えばクライアントとのセッションを終わらすことは淋しいことでもあります。
けれども、コーチは何よりもクライアントを第一に考えセッションを行う必要があります。だから、そんなことも言ってられません。

わたしは今までクライアントとの最後のセッションの時に、これからセッションがなくなることについて、淋しいという気持ちをクライアントに伝えていいものかどうか少し考えた時がありました。
ただやっぱり人と人とのつきあいの上でこの感情を持つのは当然であるし、その気持ちを伝えることは大切なことでもあると思いました。そしてこれは依存からくるものではなく、クライアントとコーチであるわたしとの間にできた、ステキな人間関係の賜物であると受けとめることができました。

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